成長戦略(ICHIMASA30ビジョン、中期経営計画)

2045年度のありたい姿
ICHIMASA 30 ビジョン

グローバル企業

“安全・安心”“健康・環境”
“心の豊かさ”をプラスして世界中に
日本の“食”で貢献するグローバル企業

食品バイオ企業

常に技術を探求し、未来に向けて
あらゆる“食”の情報を発信する
食品バイオ企業

あたたかい企業

あらゆるステークホルダーに
“食”を中心に“幸せ”“喜び”
お届けするあたたかい企業

超長期計画ロードマップ

第二次中期経営計画
<成長軌道への5年> 
2021.7.1-2026.6.30

基本方針

国内外のマーケットへの果敢なチャレンジを通じ、
事業の成長力・収益力基盤を確立し、
ファーストステージ「成長軌道への5年」を確実に実現する。

  • 国内マーケットは商品力・生産力・販売力を磨き、競争優位性を実現しシェア拡大を目指す
  • 海外マーケットは成長マーケットを分析し、拡販を推進する

重要方針

  • 変革と創造

  • 選択と集中

  • デジタルトランス
    フォーメーション

  • 新規事業

  • アライアンス

重要戦略① 変革と創造

持続的成長のためには「個」とその総和である「組織力」を強くする必要があります。「個」である従業員の成長を実現するために「IWS」(いちまさワークスタイル)の運用により、執務時間の1割を自己開発や知的創造業務に充てる新しい働き方に取り組み、労働生産性向上と業務改革を推進しています。
また、若手・中堅メンバーで構成する組織変革委員会からの提言を受け、「朝夕の挨拶運動」「社内ドレスコードフリー」「社長と若手の座談会」「社内SNSツールによる自由な意見交換」「役員が定期的に直接職場に出向き当社グループの現状や目指すべき姿についてのディスカッション実施」2021‒2025年度 第二次中期経営計画 などに取り組み、創造的な意見の飛び交う「自由な組織」への変革を目指しています。

重要戦略② 選択と集中

主力商品「サラダスティック」については、2023年4月に専用工場の本社第二工場が竣工し、供給能力の向上と省人化を推進しています。また、さらなる省人化を進め、コスト競争力を高めるために、第二次中期経営計画期間中の第60期からの3年間を集中合理化投資期間とし、第60期の期初より実行に移しています。
営業と生産の綿密な連携により、営業・生産の最適解を見つけるなかで、重点主力品のリニューアルにより商品力の向上を図り配荷の増加を目指すとともに、生産ライン稼働・人員配置などの最適化を図り、改善活動やアイテム削減とともに労働生産性の向上を図っています。

水産練製品・惣菜事業

目指す姿
  • 主力商品「サラダスティック」の圧倒的な競争優位性の確立
  • 魚肉たんぱく質の健康機能を追求した技術研究・商品開発の推進
  • 環境に配慮した持続可能な新たな食の価値提供
戦略
  • カニかま専用工場を新設し、生産拠点の集約による供給力強化と省人化を推進(投資額約55億円、省人化△45%)
  • 生産管理システムによる生産最適化と徹底した省人化・合理化により競争優位性を確立
  • さらなる収益力強化のため、商品ポートフォリオの見直しを実施し、高付加価値商品の開発と高収益商品へのシフトを継続
  • フードテック技術や社会・環境に配慮した新たな食の価値を探求

きのこ事業

目指す姿
  • AI・IoTの活用により管理・最適化されたスマートファクトリー化
  • おいしさや栄養機能などを追求したまいたけブランドの付加価値向上
  • 環境に配慮した循環型ビジネスの構築
戦略
  • 包装ラインは自動化・合理化により省人化△40%を計画
  • AI・IoT活用により最適な栽培環境を構築し収量を最大化
  • おいしさや栄養機能などの訴求強化によりブランド価値を向上
  • 持続可能な原料調達と再生可能エネルギーの活用や廃棄物の再利用などにより環境に配慮した循環型ビジネスモデルの基盤構築

重要戦略③ デジタルトランスフォーメーション

第1ステージのデータのデジタル化を進め、一部業務はデジタライゼーションへの移行を図ることで業務改革に着手しています。生産部門では、各種生産データを手書きでの記録から、ハンディ端末入力によるデジタル入力に順次切り替えるとともに、センサー技術とIoTの活用により生産ラインや機器のモニタリングを開始し、各種データをリアルタイムで自動収集し、データ分析を行うことにより、ものづくり現場の改革に結びつける試行を始めています。
営業部門では、新SFA / CRM※の導入により、営業データを収集・分析し、営業戦術・戦略を立案するとともに、お取引先さまへの具体的かつ効果的な提案を行い、お取引先さまの課題を解決すべく営業活動の進化を図り、マーケティング情報をすべての営業員が共有することによる営業スキルの向上を目指しています。管理部門では、統合データベース化によるリアルタイムでの情報収集・分析のための体制づくりや、AIによる需要予測などの研究を進めています。

SFA(Sales Force Automation):営業活動自動化/CRM(Customer Relationship Management): 顧客関係管理

生産性向上と働き方改革

  • 全社業務プロセスの見直しによるデータのデジタル化、業務の自動化・省人化推進
  • DXによる新しい製造方法の研究開発
  • スマートファクトリーを目指した生産データのデジタル化とデータの有効活用による生産性向上
  • 生産管理システムによる品質向上と効率化推進
  • 新SFA/CRM、オンライン商談などによる営業活動の効率化
  • ゼロトラストモデルによるサイバーセキュリティ対策構築

現在、栽培センターで試験を行っている空調システムはIoTを含めたデジタル化を取り入れ、まいたけにとって最適な温度で常に栽培室内を均一にコントロールすることが可能です。
また、環境面においてもエネルギー効率を高めることにより、脱炭素化を推進できるシステムとなっています。

顧客価値の創造

  • データの活用手法と分析力の向上
  • 提案力強化による競争優位性の確立
  • 新たな製造手法やフードテック分野の探求

重要戦略④ 新規事業

経営資源を有効活用でき、既存事業から派生する「隣接領域」として当社グループが取り組んでいるものは「ネクストシーフード(代替水産製品)」の商品群の開発です。
「周辺領域」としては、インテグリカルチャー株式会社、マルハニチロ株式会社との間で動物由来細胞から食品や原料などをつくる「細胞農業」で持続可能な世界を目指し、魚類の筋肉細胞培養技術の確立に向けて共同研究開発を始めています。この研究の最終ゴールは、漁獲し生産されたすり身に頼らずに培養によって原料を確保し製造が可能になることを意味し、これまでとはまったく異なるビジネスモデルを実現できます。
また、2023年7月には新規事業を専任で担当する部署と人員配置を行い、「革新領域」を含めた新規事業の検討やM&Aの実現性を高めることにより、第3の柱となる収益性の高い事業の着手を目指します。
新規事業は、業績に貢献するまでには数多くの挑戦と長い時間が必要であるといわれています。中長期の目線で多くの事業に機敏かつ柔軟にチャレンジし、成功確率を高めていきたいと考えています。

重要戦略⑤ アライアンス

当社グループの考え方に共感いただき、当社グループを支えていただいているサプライヤーの皆さまを中心とした「一正やまびこ会」や各種勉強会、情報メール「いちまさ通信」を通じて、会員の皆さまには今後も当社グループとのより強固な結びつきをお願いするとともに、相互に成長していける関係を構築していきたいと考えています。
また、「ICHIMASA30ビジョン」の実現に向け、各部署では産学官とのさまざまな連携を通じて、インテリジェンス情報を収集し業務に活かすべく活動を行っています。特に、技術開発部門やバイオ研究部門では、日本国内外の大学・研究機関と協働することで新たな分野の商品の開発、未来へのシーズの探求に挑んでいます。新たな取組みの一例として、新潟県とKDDI株式会社が創設した事業共創プログラム「Innovation Labo NIIGATA」に参画し、新潟県内での起業・創業を軸とした地域の活性化と、地域産業におけるDX推進による地域課題の解決、地域共創の実現を目指しています。このプログラムに従業員が交替で参加し異業種との交流を図ることで、アイデア創出の手法や考え方を学ぶとともに、新技術やビジネスアイデアを持つスタートアップとのマッチングや事業共創のチャンスを探索しています。

5年後の数値目標

売上高 営業利益 ROE ROIC
400億円(※) 26億円 10.0% 9.0%

「収益認識に関する会計基準」等適用後